会社の事務の女の子に手紙を渡して告白する男性

ちょっとキザですが、僕は気にいった女性がいると、詩を書いて渡すことにしています。

その詩は、4〜5行ぐらいの短いもので、内容は、彼女のちょっとした仕草が心に残って忘れられないといったもので、好きとか愛してるとか言った露骨な言葉は出しません。

いまも僕は、会社の事務の女の子に、さりげなく詩を認めた用紙を手渡してきたところです。

それも、決して深刻すぎる顔つきではなく、暇があったら読んどいてというぐらいの軽い気持ちで渡しました。

いま時分、僕の書いた詩を彼女は読んでいることでしょう。

彼女とはこれまで、他の社員たちといっしょに昼休みにお茶を飲みにいったり、また社員旅行の際にはバスで隣同士に座って、楽しくしゃべったりしていますので、いきなり口もきいたこともない男から何かを渡されたとなると相手も警戒するでしょうが、そんな気やすい間柄なのできっと、彼女も同様軽い気持ちで読んでくれることでしょう。

それでいいのです。

僕の彼女に対する気持ちを詩で表現するということに、関心をもってくれれば満足です。

他の男性たちにはない僕だけにしかできない行為に気をとめてくれさえすればいいのです。

3日後、彼女が僕のところにきて、落ち着いた色の封筒をさしだしました。

あの詩の返事だなとびんときた僕は、にっこり笑ってうけとりました。

わざわざ洗面所でこっそり封をあけると、はちして便箋1枚に、詩の礼と、その詩の感想がびっしり書いてありました。

なんでも彼女自身ふだんから詩や小説を読むのが好きらしく、自分でも書いてみたいと思いはすれど、どうして書いていいかわからないでいたところへ、僕の詩を目にしたという次第です。

僕の詩はまさにドンピシャのタイミングで彼女に渡ったのでした。

それからは会社での彼女の僕をみつめる目が、これまでよりもずっと親密になり、他の男性社員とはあきらかに一線を画すようになり、また休みの日などにも会うようになりました。

僕は彼女に会ったときにわたすための詩をそれからもせっせと書き、おかげで最初にくらべてずいぶん上達しました。